腹部から腰部のツッパリ感を緩和
反り腰は腹部のチェックとアプローチが重要!!
今回は、慢性的な腰痛と反り腰に悩まされていた30代男性の症例をご紹介します。
【症状の経過】
約20年前から腰痛があり、ここ1~2週間前から症状が増悪している。
サーフィンをやった後や四つ這いなどで低姿勢になっている時、朝起きた後、長く座っているときに症状が増悪する傾向。
約10前からサーフィンをやり始めて、首から肩甲骨の後方にかけて、サーフィンのやり始めに違和感を感じることがある。
3日後にサーフィンの大会に出場予定。
【評価】
姿勢はかなり反り腰で、立位にて腰椎前弯が強くなっていました。
腹部周囲の筋膜がかなり硬くなっており、皮膚の感覚も過敏になっており、くすぐったい感じが強くなっていました。
動作では背中を反ろうとすると腰部痛を認め、前屈では指はギリギリ床に着くが、腰部の張り感を認めていました。
整形外科テストより神経痛や椎間関節などテストは陰性であり、筋・筋膜性の痛みが優先的に施術対象となると考えました。
立位動作やサーフィンをしている時に感じる痛みは少なく、同じ姿勢をとっていた後に症状が増悪しているため、下肢からの連鎖的な症状誘発ではなく、腹部または頭部からの状態による影響が強いと考えました。
触診にて、やはり腹部周囲の筋膜の硬さを強く認め、次に骨盤・胸部の筋膜の硬さを認めました。
施術
① 骨盤周囲の筋膜への施術 → 背中を反る際の疼痛軽減
② 胸部周囲への筋膜への施術 → 前屈時の腰部の張りが緩和
③ 腹部周囲の筋膜への施術 → 背中を反る際の疼痛緩和
④ 腹部と肩甲骨に対するセルフエクササイズ指導
腹部周囲の筋膜の硬さが強く、くすぐったい感じも強かったため、腹部より上下の骨盤と胸部の筋膜への施術から開始しました。骨盤と胸部の筋膜の硬さがとれると、腹部の筋膜の硬さも少し軽減し、くすぐったさも軽減したため、次に腹部の筋膜への施術を実施。施術後に腰部の痛みと張り感は緩和したため、状態の維持を図るために腹部トレーニングと肩甲骨の安定性を高めるためのトレーニングを指導。
まとめ
今回は、腰痛+反り腰に対する施において、腹部周囲の筋膜の硬さが問題となっていると考えて、施術を実施しました。
サーフィンでの体幹の安定性を獲得するために、背筋群を強く使うことによって、体幹の安定性を高めていると考えましたが、腹筋群とのバランスが崩れてしまうと、慢性的な腰痛になりやすくなると思います。まずは腹筋群の柔軟性と活性化の再獲得を目指し、背筋群とのバランスが取れるようなトレーニングに繋げていければと考えています。
3日後の大会では、全国大会への切符を初めて獲得し、より良いパフォーマンスが発揮できたようで何よりでした。